【2024年】シロアリ駆除は必要ない?費用は?自分でできる?被害を食い止めるために徹底解説
「家の近くで羽アリをみつけた、まずいかもしれない」
「シロアリ駆除をしたいけど、どうしたらいいかわからない」
本記事はこんな方に向けてシロアリの特性から考える、様々な駆除対策の方法や注意点やシロアリ駆除を自分で行う方法など、日本で木造住宅に住む方全てに知っておいてもらいたいポイントを網羅的に解説しています。
シロアリは駆除する必要があるか?
木材がどれほど弱くなってしまうかが良くわかります。
特にからの被害実態や、被害材のモロさは必見。
公益社団法人 日本しろあり対策協会が制作した4分動画です。
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シロアリを見つけたのですが駆除する必要が本当にありますか?とのんきな質問を受ける時がたまにあります。
これはもうシロアリを見つけてしまったら1秒でも早く駆除の一択です。
シロアリ駆除はなぜ必要かは、大きく分けると3つの理由があります。
- ① シロアリはアリではないから
- ② 羽アリを見かけたら既に被害が出ているから
- ③ シロアリ被害は本当に無視できないレベルだから
それぞれもう少し詳しく説明します。
①シロアリはアリではない
シロアリはアリという名前こそついていますが、それはアリに容姿が似ていたから付けられてしまった名前であって、実際はアリとは全く別種の生物です。
アリは昆虫としての分類では「ハチ目ハチ亜目有剣ハチ下目」で、大きい分類では蜂の仲間です。
ところがシロアリは昆虫としての分類では「ゴキブリ目シロアリ下目」で、大きい分類ではゴキブリの仲間です。
②羽アリを見かけたら既に被害が出ている
シロアリ駆除のご相談が多いのは羽アリが活動する(群飛)4月~8月ですが、ほとんどの場合羽アリが外からやってきたのを見つけたというケースではありません。
シロアリはある一定以上の個体数にそのコロニーが達した時に、別のコロニーを形成するべくオスとメスが対となり、脱皮して有翅虫(羽アリ)となって飛び出していきます。
つまり羽アリを見つけたという時は、そのほとんどが自宅敷地内に既にあるコロニーから飛びだっていく羽アリを見かけているケースなのです。
③シロアリ被害は無視できないレベル
シロアリは家の土台である基礎から侵食していきます。構造体である基礎の内部を食べていってしまうので、当然のことながら耐震性が大幅に弱くなり、地震時の倒壊リスクが増してしまいます。
見た目が悪くなる、不快であるというレベルの話ではなく、命の危険に関わる話です。
だからこそ、シロアリを見つけたら1秒でも早く駆除活動に入っていただきたいのです。
シロアリ駆除と予防と防除の違い
シロアリ駆除は文字通り、発生して被害を及ぼしているシロアリを退治して取り除く、追い払うことです。
シロアリ予防は、シロアリが入ってこないように、被害を及ぼさないように、事前に対策をとることです。
シロアリ防除は、予防の「防」と駆除の「除」の合体ですので、予防と駆除の両方を行うことを意味します。
ですのでシロアリが実際に発生し、駆除の依頼を受けた場合、駆除はもちろん行いますが、それだけでは終わらず、その後シロアリ被害にあわないように予防対策も同時に行いますので、実際はシロアリ防除ということになります。
シロアリ被害は火災保険で直せる?
残念ながらシロアリの被害に対して、火災保険は対象外となり使うことはできません。火災保険はあくまで火災及び自然災害によって発生した被害が対象となるからです。
もちろんタンスなど木製の家財がシロアリ被害にあった場合も家財保険は適用されません。
シロアリによる被害の修繕は全て自己負担で行わなければなりません。
シロアリ駆除の方法
シロアリ駆除の方法を細かくみていきます。
①シロアリ駆除で使用する薬剤
公益社団法人日本しろあり対策協会は、シロアリ防除薬剤認定業務取扱規定の中でシロアリ用の薬剤を「予防剤」「駆除剤」「予防駆除剤」「土壌処理剤」の4種類に分類しています。
その名の通り、シロアリ駆除に使われる薬剤はこのうち「駆除剤」と「予防駆除剤」ですが、予防剤については1986年の認定を最後になく、今はすべてシロアリの予防と駆除の両方の性能を持つ「予防駆除剤」が使われています。
①シロアリ駆除の方法(木部)
シロアリの被害にあった家の木材はその内部が空洞化しています。ですので周りから予防駆除剤を吹き付けるだけでは、その中に生息している、今まさに食害しているシロアリには薬剤が届きません。
ですので被害箇所を特定し、その木材にドリルなどで穴をあけます。そしてその開けた穴から薬剤を内部の空洞すべてに行き届くように注入していきます。
被害木材の穿孔・薬剤注入処理が終わったら、二度とその木材にシロアリが寄り付かないように木材全体に薬剤の吹付処理を行います。
①シロアリ駆除の方法(土壌)
シロアリは木が主食ですが、いきなり木の中から生まれる訳ではなく、必ず自宅敷地内の地下からやってきます。
土壌に使う薬剤は、上に出てきた予防駆除剤ではなく「土壌処理剤」になり、予防駆除剤と同じく駆除効果と予防効果両方の性能を持っています。
シロアリが既に木部に被害を及ぼしているということは、そこまでの地中から通り道(蟻道)ができています。蟻道は物理的に剥離するのは当然として、蟻道の先の地中付近はより念入りに土壌処理剤を散布します。
①シロアリ駆除の方法(ベイト工法)
木部を予防駆除剤で、土壌を土壌処理剤で適切に処理することができれば、今家の中に入ってきてるシロアリを駆除し、今後入ってこない予防対策が取れています。
しかし敷地内(もしくは隣家敷地内)に巣があった場合、そこの完全駆除はできていません。
いわば城の中の敵は倒したものの、塀の外にはまだ敵がいる状態。心安らかに眠ることもできません。
そんな時にオススメなのがベイト工法です。
ベイト剤という食べてから時間が経ってから死に至る薬剤を家の周辺に置いておき、食べて巣に戻ったシロアリが、エサがどこそこにあったぞと他のシロアリ達を誘う習性を利用し、巣にいるシロアリ達にベイト剤を食べさせて一網打尽にするという防除方法です。
シロアリ駆除を自分でできる?
シロアリ駆除を専門業者に頼まず、自分でできないかと考える方は非常に多いのですが、百歩譲って予防対策を自分でやるのは良いにしても、既に被害が発生している家で駆除を自分で行うのはさすがにオススメしません。
①シロアリ駆除を自分でやるのをオススメしない理由①難しい
上でシロアリ駆除の方法を書きましたが、「床下にもぐる」「被害箇所を特定する」「被害のあった木部に穿孔し、薬剤をくまなく注入する」「床下の木部すべてに薬剤を散布する」「蟻道を発見する」「蟻道を除去する」「床下の全ての土壌に薬剤を散布する」これらを素人が行うのは不可能とは言いませんが、普通に考えてDIYでできるレベルを超えていると思います。
①シロアリ駆除を自分でやるのをオススメしない理由①準備が大変
予防駆除剤と土壌処理剤、それらを散布するための噴霧器、養生シート、ゴーグルや専用マスク、防護服等を用意しなければなりません。5年に1度の作業のために仕入れるにはあまりに仰々し過ぎます。
①シロアリ駆除を自分でやるのをオススメしない理由①駆除しきれない
被害箇所を特定するのはプロの熟練技術者でも、かなり被害が進行したものでないと難しいです。そのためにマイクロ波探知機やアコースティック・エミッション検出器、レジストグラフやピロディンなどの機器を用いて被害箇所を特定していきます。
これらの機器を調達するコストも大変ですし、それらを使いこなすことも素人にはできません。
シロアリ被害は自宅を下から破壊して行ってしまう恐ろしいものです。駆除については速やかに専門業者に依頼するようお願い致します。
シロアリ専門業者の駆除費用相場
家の広さや、状況によって金額は当然前後しますが、ベタ基礎の場合は20万円前後、布基礎の場合は30万円前後が相場です。
しかしこれはあくまでシロアリを駆除し、今後の予防対策をする所までの費用相場です。
実際に被害にあった木材、床などの補強、修繕は別途追加費用がかかります。
被害が出ていない段階での予防対策であれば10万円前後。布基礎の場合は15万前後で済みます。
被害が出ないように、適切な予防対策を定期的に行うことを強くオススメします。
シロアリ駆除に適した時期は?
シロアリの駆除に適した時期は4月~8月です。
巣から羽のあるシロアリ(羽アリ)が多数飛び出し(群飛)、オスとメスが対になって、また新しいコロニーをつくります。
種や地域によって多少時期は違うのですが、多くは4月~6月に群飛が見られます。
ですのでこの時期にシロアリが目撃される、発見されることが多いので駆除に適している、駆除せざるをえない時期と言えます。
失敗しないシロアリ専門業者の探し方・選び方
シロアリ専門業者も千差万別です。
鉄則は1社だけでは判断しないこと。
その提示価格が相場価格と比べて適正範囲なのか1社だけでは素人には判断ができません。
まずは無料の床下調査をしてもらうのですが、その際の所作、自宅への配慮の仕方、調査結果の報告の方法や詳細さを確認してみてください。
シロアリ駆除の大半は床下での作業で自分でその仕上がりをチェックすることはできません。
極端なことを言えば全く何もしていないものもやりましたと報告されてしまえばわからない可能性があります。
床下調査に来た方が、工事当日も作業者になるケースは非常に稀ではありますが、やはり一事が万事という言葉あるように、ある程度相関があります。
自分の目で信頼に足る業者だと判断する為にも、床下調査時になるべく観察することをオススメします。